まるくまもぐら通信

夜は占い師、昼はMBA持ち技術者。ビジネススキル、時事、占い。世界が明るく仲良く楽しくなりますように。                             

☆アップルの凋落? アップルとジョブズとイノベーションと事業ライフサイクル☆

あけましておめでとうございます。

平成最後のお正月皆さま楽しくお過ごしいただけたでしょうか?

まるくまもぐら、皇居へ平成最後の一般参賀に出かけたり、また浅草に初詣に出かけたりと楽しいお正月でした。

 

さて、ニュースでは景気の先行きが不透明と騒がしい感じです。

震源はみんな大好きAppleの販売見通しが悪かったこと。

ついこの前ですが、3カ月前、アップルの株価は過去最高値を付け、時価総額は1兆ドルを超えました。1兆ドル。すごすぎて良くわからない金額です。

しかし2018年10月以降、株価は急落。同社の時価総額は約4450億ドル(約48兆円)が消失。この額はフェイスブック時価総額を上回るとのことです。

このAppleショックの影響で、アメリカの株式市場が動揺して、円が買われ円高に。

円高になると、輸出や海外で販売しているグローバル型の日本企業が打撃を受けます。

そして、それらの企業で構成されている日系平均が下がってしまいどうしましょうと騒がれています。

 

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Apple一社でそこまで、株式市場に影響する影響力に驚き。

そして「有事の円買い」と言いますが、リスク回避的になる時には、全世界の株が下落し、円高となりやすいです。逆にリスク選好的となる時には、全世界の株が上昇し、円安となる場合が多いです。少子化で今後の見通しもけして明るくない日本の通貨、円が人気になるのも不思議です。

為替についてはとっても奥が深いのでより一層勉強しようと思います。

 

難しい話はここまで。今日はAppleの不調について考えてみました。

 

祗園精舎の鐘の声、 諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらわす。 おごれる人も久しからず、 ただ春の夜の夢のごとし。

平家物語の冒頭です。平家にあらずは人にあらず、といわれ栄華を極めた平家一門も没落してしまいました。

 

大流行のAppleもやっぱり繁栄はいつまでも続かないのかもしれません。

 

☆会社の寿命は30年?☆

 

1983年に日経ビジネスに『企業は永遠か』という特集が掲載されました。

ホンダがアメリカで成功したプロセスなどを紹介しています。

オートバイと言えばハーレーの様な大排気量、高価で趣味の乗り物が当たり前の時代に、スーパーカブという、日常の暮らしに密着した手軽な乗り物としての新しいオートバイの価値を訴え大成功をおさめました。イノベーションで新市場を切り開いた実例です。

『YOU MEET THE NICEST PEOPLE ON A HONDA(素晴らしい人々、Hondaに乗る)』

などの広告でも当時話題になりました。

この中で「会社の寿命は30年」というフレーズが生まれ現在でも大企業の不調の際に引用されます。

Appleが操業して30年ちょっと、的を射た記事だったかもしれませんね。)

 

また。アメリカの大企業トップ500社のうち過半数が15年以内に消滅しているそうです。

M&Aで、より大きな会社に買収されて従業員はもっと大きなステージで辣腕をふるうなど良いケースも多いですが。実際は、一時の流行で会社を大きくできても、次の一手が打ち出せず衰退、廃業という場合が多いと多いと思います。

 

☆2019年のAppleは何を売っている会社?☆

 

スマートフォンiPhoneタブレット型情報端末のiPad、パーソナルコンピュータの携帯音楽プレーヤーのiPodウェアラブルコンピュータのApple Watch

そしてパソコンのMacintosh (Mac)、

 

ソフトウェア製品では、macOSiOS、watchOS、tvOS、iCloud

 

また、音楽、映画、テレビ番組、アプリ、電子書籍Podcastなど様々なデジタルコンテンツのダウンロード販売を手掛けています。

 

中でも現在の売り上げの大半は、iPhoneおよびiPadを中心とした携帯端末事業です。

 

特徴的なのは、どれも企業向けではなく一般消費者向けということです。

BtoCと言います。Business to Consumerの略で、企業(business)が一般消費者(Consumer)を対象に行うビジネスですね。消費者の気分や流行といったものに左右されがちです。

毎年モデルチェンジを成功させ続けなくてはいけないです。

波に乗り続けないといけない、待ったなしの厳しいビジネスモデルです。

 

Appleも、iPhone Xで大分苦戦しています。

値段が高い割には、目新しさが無いと叩かれています。

ティムクックCEOも頑張っていますが、ジョブズさんが存命だったなら、との声も多いで

す。

Appleジョブズさんとイノベーション

Appleといえば、ジョブズさん抜きには語れません。

 

1955年、ジョブズ誕生

昭和30年、戦後10年。トヨタが初代クラウンを、ソニーが最初のラジオを売りに出したころです。「もはや戦後ではない」の夢と希望にあふれた時代です。

 

1972年 ジョブスさん大学入学。

大学時代のジョブズさん。いろいろな宗教にはまって座禅や自然食品にこだわったり、裸足で校内を歩きまわって風呂に入らない時期もあったり、Theヒッピーみたいな生活をしていたそう。

 生涯IT製品を発明し続けた天才は、若い頃からぶっ飛んでいたみたいです。

 

1975年 Apple I発売。

ウォズニアックと最初のApple製品を発売。実家のガレージでせっせとパソコンを組み立てて発売していたそう。 手作り感満載。

 

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1984年 Macintosh

Apple、分解しないと見られない基板の美しさまで徹底的にこだわり抜いたパソコン。

 

1985年ジョブズ追放

30歳。Macintoshの需要予測を誤ったジョブズさんは、取締役会で責任を追及され、

自分で作った会社をクビになってしまったジョブズさんですが、アップルをクビになったことは人生最良の出来事と後に語っています。恨んだりしてしまいそうですが、本当にスケールの大きな人だったのですね。

そして理想の高性能コンピューターをつくるためNeXT社を設立。

macOSiOSさらにはwindowsの原型でもあるNEXTSTEPというOSの開発もしています。

一方、裏ではジョブズさん、ジョージルーカスからCG部門を買収、1986年に独立企業としてピクサー・アニメーション・スタジオを設立しています。

このピクサー1995年トイストーリーを発表、世界初のフル3DCGによる長編アニメーション映画です。わたしが小学生の頃の映画ですがとっても好きな映画でした。

 

1997年 ジョブズ復帰

パソコンの次世代OSの開発に行き詰ったAppleはなんとジョブズさんのNeXT社を買収

することに。実は政治力もあるジョブズさん。自分と気の合わない役員をクビニ追いやり社長に復帰。自分の才覚を最大限に発揮できる環境を整えていきました。

Appleの快進撃が始まります。

1998年 iMac発表

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それまでパソコンというと、白だったり、黒だったり、プラスチックのただの箱でしたが、すごくおしゃれなスケルトンのパソコンを作ってしまいました。

今ではパソコンなど工業製品もデザインが大切というのは当たり前ですが、当時は発明といっていいくらい画期的だったともいます。

 当時パソコンだけでなく様々な商品でスケルトンデザインが流行したと思います。

 

2001年 1月に iTunesと11月に iPodリリース。

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マニア向けパソコンメーカーだったAppleが広く一般の人から支持されるようになったきっかけがiTunesiPodでした。それまでは音楽と言えばコンポで聞く。録音はコンポからカセットやMDなどに録音するというのが常識でした。ITunesの登場によって、音楽をパソコンで聞くというのが一般的になったと思います。

 そして音楽はパソコンのiTunesに入れた音楽をそのままiPodで持ち出すスタイルが受け入れられ爆発的にヒットしました。

 Appleストアからそのままダウンロード。それまではCD屋さんに借りに行く、タイトルをコンポの使いにくいリモコンで打ち込む、歌詞カードをコピーする、またCD屋さんに返しに行っていました。

 

2007年 iPhone

 

ジョブズが電話を再発明したと言って初代iPhoneを発表したのは2007年1月。

iPhoneの登場で "ケータイ" から "スマートフォン"へ、電話でなんでもする時代に変わりました。ネットはパソコンの前に座っている時の物から、24時間いつでも手の中にあるものへ変わりました。

 

2010年 iPad

みなさまタブレットってそもそも何の事だかご存知でしょうか?

そう。この石板の事です。数千年後このような形で世の中タブレットだらけになるなんてモーセさんもびっくりでしょう。

 モニターとキーボードとマウスいくつも机の上に並べて作業しています。本当に全部必要なのでしょうか。いつでもどこでもタブレット一枚のスタイルをジョブズさんは提唱しました。まだまだタブレットの可能性を活かし切れていないように感じます。

 

2011年10月、ジョブズさん死去

生涯コンピューターで世界を変え続けたジョブズさん。惜しまれながら、56歳でこの世を去ってしまいました。今生きていたらどんなすごいものをつくろうとするでしょうか。

 

☆技術は日進月歩☆

確かにジョブズさんは凄かったですが、他のメーカーだって頑張っています。

通信機器の進化を振り返ってみましょう。

1992年 ポケベル

1996年 PHS

1999年にはiモード カメラ内蔵携帯

2001年3G携帯

2007年 iPhone

2010年アンドロイド

5年置きくらいに新しい通信機器にとって変わられています。

皆さんも、ポケベル→PHSガラケースマホと次々新しい携帯通信機器に変えているかもしれません。メーカーは次々を似ているようでまったく新しい技術の製品を作り続けないと商売が成り立ちません。一年出遅れただけで勝負にならない厳しい世界です。

 

またソニーの携帯音楽プレーヤー、ウォークマンも見てみましょう。

1979年カセットテープの初代ウォークマン

1984年 世界初のポータブルCDプレーヤー。

1992年 MDウォークマン

1999年12月メモリースティックウォークマン

 ウェークマンは携帯音楽プレーヤーの先頭をずっと走り続けてきました。

驚きかもしれないのが、電子携帯音楽プレーヤーをiPodに先駆けること2年。1999年に発売しています。

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 実は携帯電子音楽プレーヤーはソニーの方が一歩先を行っていたのです初代プリウス が1997年に「21世紀に間に合いました」のキャッチコピーで発売されました。ウォークマンだって21世紀に間に合っています。しかしその後あっという間に世の中iPodだらけに。ウォークマンはなぜiPodに負けたのか、ソニーはどうしてAppleになれなかったのか?すでに色々研究されていますが、ハードで勝ってソフトウェアで負けた。自社コンテンツにこだわり、サービス提供力で負けた。などが理由とされています。

 ちょっとの差が大きな違いとなって競争に敗れてしまった感じです。最近iPodが停滞、ソニーがハレイゾ音源で、携帯音楽プレーヤーのトップに復活しています。

 

このメモリースティックウォークマン、私にとっても思い出深いものです。

発売当時、中学生だった私、市のニュージーランド交換留学事業の学校代表に選ばれました。私のパートナーは華僑のサミュエル君。1週間ほどニュージーランドオークランドで過ごしました。サミュエル君もニュージーランドから来てくれました。中学に一緒に通ったり、休日には私の家族新幹線で小田原観光をしたり楽しく過ごしました。

そしてある日、兄からお土産を頼まれたからと、近所のヨドバシカメラに行くことに。お目当ては、この発売したばかりのメモリースティックウォークマン。先進的なお土産に当時びっくりしたのを覚えています。

 

☆製品ライフサイクル(Product life cycle)☆

携帯電話や、携帯音楽プレーヤーの流行り廃りについて紹介しましたが、このような製品が市場に登場してから退場するまでの間を分類してマーケティングを考える方法に製品ライフサイクルというものがあります。事業ライフサイクルということもありますが、縦軸に販売数、横軸に時間をとってこのような線が引けます。

 

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導入期

導入期は、新しい製品が市場に投入されたばかりの時期のことです。

顧客は、たとえ興味はあったとしても新しい製品にメリットを感じなくて積極的に購入しないかもしれません。もっと言うと顧客はそもそも品物やサービスがなんだかわからないというケースも多いかもしれないです。スマホとかiPhoneも今では常識ですが、10年前はなにそれ、美味しいの?というくらい耳慣れない言葉だったと思います。

製品ライフサイクルの導入期では、売上はまだまだ低調で、市場における競合他社もほとんどいません。 導入期では、買い手に対しての積極的な宣伝。見て聞いて触って感じてもらい様な体験キャンペーンも効果的とされています。

 

成長期

導入期は売上・利益ともに小さく、流行するか否か顧客もライバルメーカーも様子見という状況でしたが成長期に入るとこの状況が劇的に変わります。売上や利益が急速に伸び競合も増えてきます。ソフトバンクからiPhoneが投入されしばらくたつと、Androidスマホも増えてきたかと思います。ドコモ、auからシャープ、ソニーなど日本企業のスマホだけでなく、ファーウェイやサムスンといったアジア企業のスマホも市場に登場しました。

 

成熟期

 今となっては死語ですが、スマホ以前の携帯をガラケーガラパゴス携帯と言いました。

着うた・着メロ・ワンセグテレビ・おサイフ携帯・ゲーム・アプリ、防水、その他色々。

日本の携帯電話だけ過剰に機能がついて独自の進化を遂げたのを、イグアナなど固有種が数多くいるガラパゴス諸島に例えて揶揄した言葉です。

スマホも、今ではカメラが2つは当たり前、3つ4つ付く様になりました。激しい競争によって、日本のメーカーが苦戦気味、中国のファーウェイが大躍進を遂げています。

また様々な値引きキャンペーンによって、格安スマホも登場しています。

 

衰退期

 まるくまもぐらは、スマホも衰退期に差し掛かってきたと思います。スマホの新製品発表も気にならなくなってきました。かわりに腕時計型やメガネといったウェアラブルな機器。ロボットなどに関心が向いています。これらの商品がスマホにとって代わる日も近いかもしれないと思っています。

 

☆イノベーター理論(普及学)☆

製品ライフサイクルは、企業目線で、製品の流行、衰退を考えるものでした。

消費者目線で流行を考える、イノベーター理論というのがあります。

 新しいアイデアや技術が社会になぜ普及したりしなかったりするかを考える学問なので普及学とも言います。

 

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イノベーター(Innovators)

人口の2.5%.で新しいアイデアや技術を最初に採用するグループ。

日本で発売直後のメモリースティックウォークマンをいち早くゲットしたサミュエル君のお兄さんもイノベ―ターの一人ですね。

リスクを取り、年齢が若く、社会階級が高く、経済的に豊かで、社交的、科学的な情報源に近く、他のイノベーターとも交流すると言われています。

流行り廃りに関係なく、のちに普及しない奇抜な商品を買ったりします。

家電や情報機器の見本市に行っちゃう人。ファッションでは表参道や原宿で奇抜なファッションをしている人。

 

アーリーアダプター(Early adopters)

採用時期が2番手のグループ。

他のカテゴリと比較すると周囲に対する影響度が最も高い人たちです。

年齢は比較的若く、社会階級は比較的高い。経済的に豊かで、教育水準は高く、社交性も高いとされます。

イノベーターよりも取捨選択を賢明に行い、トレンドをつくります。

ご意見番な人たちでしょうか。ブログで記事書いたり、Youtubeで商品紹介するような皆さんでしょうか。

 

アーリーマジョリティ(Early Majority)

このカテゴリの人は一定の時間が経ってからアイデアの採用を行う。社会階級は平均的で、アーリーアダプターとの接点も平均的に持つとのことです。

雑誌やブログの記事を見て賢くお買いものをする人でしょうか。

 

レイトマジョリティ(Late Majority)

このカテゴリにいる人は、平均的な人が採用した後にアイデアを採用する。イノベーションが半ば普及していても懐疑的に見ている。チラシの特売になってからようやくお買いものをする感じだと思います。

 

ラガード(Laggards)

最も後期の採用者。むしろまだガラケー派の人かもしれません。

これはこれでポリシーを貫いている感じでとっても良いことだと思います。

 

 

☆まるくまもぐらもイノベ―ター?☆

じゃ~ん!

まるくまもぐらのお気に入り。

とっても暖かい。耳付きまるくま帽です。

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ここ数年冬はこの帽子でお出かけしてます。

一昨年表参道、原宿、青山もこの帽子でぶらぶらお出かけしましたが全然すれ違わなかったです。帽子屋さんにも一個置いているかどうか。

お友達からもシュウマイ帽との言われ様。

そりゃそうだそんな痛い帽子と思った。そこのあなた。

なんとこの帽子、この冬の帽子業界の一押し流行中で、どこの帽子屋さんも一棚いろいろ揃えています。

今度の冬は、シップス、ビームスなどのセレクトショップに並ぶのは間違いなし。

再来年は町中みんなが被りだすのを妄想しています。