まるくまもぐら通信

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☆ウェイトさんの『タロット図解』訳してみたよ。パート1「ベイルとシンボル」前半☆

こんにちは、夜はタロット占いYouTuberまるくまもぐら、です。

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修行のためウェイトさんのタロット解説書『タロット図解』を訳しています。

いよいよ第1章まできました。

(前章、イントロは下記のリンクをご参照ください。)

☆ウェイトさんのタロット図解、訳してみたよ(まだ序文だけだけど)☆ - まるくまもぐら通信

 

☆ウェイトさんのタロット図解、訳してみたよ。その2 (まだイントロだけど)☆ - まるくまもぐら通信

 

1章ではタロットの歴史を、それぞれのカードの伝統的な解釈について簡単に紹介したものです。(自分の新しいタロット解釈を凄いと言いたいがために、この1章は過去のタロット解釈やデザインをこき下ろしていたりします。) 

マルセイユタロットを念頭に書いていると思われますので、マルセイユ版の絵を付けました。

ウェイトさんとスミスさんのライダータロットの200年とか300年くらい先輩のタロットさんです。

ウェイトタロットの詳しい解釈は2章に載っています!

全部訳してから載せるといつになるかわからないので、ちょっとずつ加筆訂正する作戦にします。

 

ではでは翻訳

(原著に即して最初は魔術師からで、愚者は世界のカードの前に置いてます。)

 

Trumps Major: Otherwise, Greater Arcana (Class I)

大アルカナ クラス1

 

1, 魔術師(The Magician)

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マルセイユ版 魔術師

 

この欺瞞に満ちた世界を、技で生き抜く手品師、曲芸師、イカサマ師あるいは偽薬売り。

 書籍行商人を思い浮かべてください。占いでタロットが象徴する本当の意味合いと全く一致しています。これはまた象徴主義の秘匿された科学に即して神秘的な構造をもったものです。

 大アルカナに対して独自の解釈を考えた研究者はたくさんいたことも紹介しておきます。まあもっとも彼らの解釈は示唆に富むとは思いますが、真理からは遠いと感じます。エリファス・レヴィ(『高等魔術の教理と儀式』『秘教哲学全集』を出版)はマギについて、数の母となるような集合体と言います。またある人は、聖なる統一だと主張します。フランス人研究者は一般的な意味で意思であると考えました。

 

  1. 教皇(The High Priestess)

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マルセイユ版 女教皇

 

教皇あるいは大巫女、女教皇ヨハンナ(中世の伝説で855年から858年まで在位したとされる女性のローマ教皇、実在の人ではないです。)

初期の解説者は、このカードを母、または教皇の妻と呼ぶことにしましたが、それは象徴主義とは正反対の解釈です。女教皇のタロットカードは「シェキア」を象徴します。あるいは、神秘の法則やグノーシス主義を表すとも言えるでしょう。

彼女は秘密の伝統や神秘学の真理そのものです。

 

シェキア:ユダヤ教を始めキリスト教イスラム教において。

地上での神の臨在を象徴。神様は確かにいますよ。

God's in his heaven. All's right with the world.

「神は天にいまし、すべて世は事も無し」と言いますが、天国というか、

あなたのそばにも、私のそばにも神様はちゃんといるよ。みたいな意味でしょうか。

 

グノーシス主義:3世紀から4世紀にかけて地中海世界で流行した宗教・思想。

キリスト教では異端とされた。善と悪、精神と物体、理想と現実など二元論的に世界をとらえて、自己の本質と世界の真理についての理解しようとする思想。

 

3.女帝(The Empress)

 

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マルセイユ版 女帝

正面を見ている女帝。彼女の視線の先は皇帝の横顔。

この区別に象徴的な意味を持たせる傾向がありますが、それは内的な意味を持たないと言うべきでしょう。女皇帝は繁殖、豊穣と一般的な意味での活動力を意味しています。

 

4.皇帝(The Emperor)

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マルセイユ版 皇帝

皇帝。女帝の配偶者。彼は自分自身の個人的な記章に加えて、騎士道精神を象徴する勲章やリボンを身に着けています。これはタロットが古い絵柄と新しい絵柄の寄せ集めだからです。もしも一方の絵柄について根拠にきっちりこだわる人なら、もう片方に対しても同様にこだわることでしょう。

確かに古い時代の絵柄に基づいていますが、それによってある種のデザインにアンティーク性があるというのは建設的な議論の方法ではありません。しかしだからと言って最近の不勉強な編集者や製図屋による新しいデザインに価値があるというわけでもありません。

 

5.教皇(The High Priest)

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マルセイユ版 教皇

教皇またはヒエロファントは、霊的な父とも呼ばれ、より一般的には教皇と呼ばれています。またそれは修道院長(アボット)と名付けられます。内通しているところの女司祭は、修道院のマザー(アビス)といえるでしょう。これらの名前は恣意的なものですが、意匠は教皇そのものです。よって教皇と女司祭とが叙階という霊的な儀式によって結婚しているのは、教会においてしかあり得ません。このことから原始的な形のカードはローマ法王を表していないと私は思います。

 

6.恋人(The Lovers)

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マルセイユ版 恋人

恋人または結婚。 このシンボルは、その主題から予想されるように、多くのバリエーションを経ています。それが最初に考古学研究の世界に知られるようになった18世紀の形式では、それは恋愛ではなく実際の結婚生活のカードであり、間には子供のいる父と母とみるのが妥当です。だから頭上でキューピッドが弓を射ようとしているのは間違って適用された絵柄です

キューピッドは、愛情とその結晶を守るものというより、愛の始まりを表すものです。

このカードは、契約のしるしとしての虹がより適切なデザインだったと考えます。このカードはSimulacyum fidei(偶像崇拝)と銘打たれ夫婦間の信仰の象徴とされたと考えられます。図柄はまた、真実、名誉、愛を意味すると考えられていますが、私はこれがいわば、論評家の脚色だと思います。 このタロットカードは本来もっと高次元の意味を象徴するはずです。

 

7.戦車(The Chariot)

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マルセイユ版 戦車

これは最近の写本では2体のスフィンクスが描かれています。この構図は象徴主義と一致していますが、元々の図柄であると勘違いしてはいけません。特定の歴史的な仮説にしたがって変化しました。18世紀のカードでは、車は白い馬に引かれています。チャリオットというからには、”小よく大を制す”を表します。彼はまさに勝利をつかもうとしている王様です。典型的に勝利を象徴します。彼は勝利し、その結果として王権を手に入れます。そして4番目のカードの既得の王族ではありません。コート・ド・ゲベリンは、それはオシリスの勝利、冬を打ち負かし、春に変えてしまう征服する太陽であると言いました。しかし残念ながら現在において私たちは、死の神オシリスがそのような明るい事を象徴しないことを知っています。

また馬の代わりに、ライオンや豹で表現されたこともあります。

 

8.力( Fortitude).

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マルセイユ版 力

力。または、不屈の精神、堅忍、不屈、勇気。これは基本的な美徳の1つなので後ほどで説明しようと思います。女性像は多くのカードでライオンの口を閉じるものとして表されますが、ゲブリンによる初期のタロットでは、彼女は明らか口を開けようとしています。前者はより象徴性に優れていますが、どちらも強さの実例であり、そして習得の概念を表わします。この図柄は生物的な力、道徳的な力、すべての力の原理を表していると言われてきました。

 

9.隠者(The Hermit)

 

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マルセイユ版 隠者

隠者、あるいは修道士であり、より哲学的な言い方では賢者です。下記にあげたような事柄を象徴します。

彼は、旅をしながら、はるかに離れたところにある真理と、その道中の正義を探し求めていると言われています。

しかし、これは後で見るように探求のカードというよりも達成のカードです。彼のランタンはオカルト科学の光が含まれており、彼の杖は魔法の杖であるとも言われています。

これらの解釈は、これから紹介する、これまでの予言や占いでの意味にあらゆる点で匹敵します。

両者の悪魔主義は、それらの中では真実なのでしょうが、残念ながら彼らは大アルカナが担っている高い意味合いを逃しています。

まるで彼の心の中で、すべての道が高みにつながっていると知っているかのような人です。しかし、神がすべての中で最高の位地にあるので、結局彼はそこまでたどり着くことはできずに、残念ですが破滅の道または愚かな道を選ぶよりほかはないのでしょう。

エリファス・レヴィ(フランスの詩人、オカルト研究家)はこのカードを慎重さや思慮分別に割り当てました。そうすることで彼は象徴主義で起こるギャップを埋めようとしたのでしょう。

大アルカナのような象徴的な並びには4つのスートの美徳が必要です。ゴシップ誌に飛びつくような素人の第一印象にとらわれてしまってはいけません。

同じような言い方で度々表現されていますが、正しく理解をしたらなら、福音書の教えに似たようなものです。これらは下記のようになります。

(a)超越的正義。天秤で言うならば、均衡させるのではなく、どこまでも神の側に深く押し下げるようなものです。

対応する助言は、悪魔と高いレートで賭けをするときには不正さいころを使いなさいということです。公理は「神か無か」です。

 

(b)神のエクスタシー。節制(Temperance)と呼ばれるようなつり合いのとれた状態。

私が思うに、それは居酒屋の明かりの消滅のサインである。

対応する助言は、対応する助言は、「父なる王国では新しいワインだけを飲め、神はその中にある」ということです。公理は、「合理的な人間は神に酔いしれるべし」。その代表的な例がスピノザです。

 

(c)王国の要塞の状態。象牙の塔と金の家が敵に襲われました。”敵に対する力強い塔”となったのは人間ではなく神でした。対応する助言は、死の目前でさえ自分自身を惜しんではならない。ということです。身を捨ててこそ浮かぶ瀬があることを確信しなければなりません。

公理は、「自分を見失うほどの力を付けた後、神をどのように見いだすのか」、それゆえにあえて学びなさいということです。

(d)慎重さ。これは、最も苦労の少ない道をたどる経済的なものである。来た道をもどり、あるべきところに戻るとも例えられる。人生のストレス、恐怖、そして明白な失意のゆえに、神の倹約とエネルギーを保存する教義です。

対応する助言は、真の慎重さが必要とされる一つのことに関係しているということです、そして公理は:「無駄にするべからず。求めるべからず。」すべての問題の結論は、経済学で言えば交換の法則で説明できます。あなたが求めたところで神聖なものは手に入らないかもしれませんが、それは需要と供給の法則です。

 

ここでは、2つの単純な理由で、これらのいくつかの問題について言及しました。(a)心の公平性に比例して、現在の世界をより浪費するのが、副次的な代償なのか、下品なものかを判断するのが難しい場合があるからです。(b)古い概念の不完全さを是正するためには、今までの解釈を一旦きれいに忘れることが時には必要です。

 

 

 

10.運命の輪(The Wheel of Fortune)

 

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マルセイユ版 運命の輪

イギリスでかなりの流行しているカード占いの手引書があります。しかし目的のない不思議な内容が脈絡なく並び、重要なテーマは交錯してしまっています。

その最後で最大の版でタロットについて一章扱っています。

これは、私が作者を正しく解釈できているなら、始めから終わりまで運命の輪がテーマですが、この表現は私自身の感覚的な理解によるものです。私はそのような包括的あるいは一般的な説明に異論を唱えません。それはすべての世界で得られますが、一般的な占いでは最も適切な名前として以前には採用されていなかったのが不思議です。それはこの一枚の大アルカナの名称でもあります。それは私が副題で掲げるように、この章のテーマです。このタロットカードに対して、昨今様々な解釈が発表されてきました。私は象徴主義に則って1つの仮説を再構築しました。運命の輪は7本の軸で支えられています。18世紀には、上下の動物は、実在しない空想上のもので、そのうちの1つは人間の頭を持っていました。頂上の化物は、体は幻の動物、肩に羽があり、頭に冠を被り、その爪に2本の杖を持っていました。これらは、ホイールで上昇するヘルマニビス(Hermanubis)、頂にはうずくまったスフィンクス(Sphinx) 、そして下降側でのテュポーン(Typhon)に置き換えました。もっとも仮説に基づく新解釈には他の例もありますがここでは脇に置いておきます。私の考案した組み合わせは象徴的に正しく、ひとまず合格として良いでしょう。